軽貨物運送業の繁忙期はいつ頃なの?
どの業界にも、一年のなかには繁忙期と閑散期があります。繁忙期は一年のなかで特に忙しい時期、閑散期と逆に仕事が少ない時期です。軽貨物運送業は他業種からも転職しやすく、軽自動車さえあれば未経験者でもスタートさせやすいところが魅力です。
軽貨物運送業には繁忙期と閑散期がある
運送業界は、通信販売の利用者が多くなる時期に物流の量が増えるため、軽貨物運送業者も仕事が忙しくなります。近年は、実店舗で買い物をする人だけでなく、インターネットショッピングを利用する人が増えてきたため、時期によってはドライバーが多忙を極めることも少なくありません。
また配達先が不在で再配達をしなければならないことも多く、繁忙期には思いのほか拘束時間が長くなってしまうことがあります。一年のなかで通販の荷物を配達することが多い時期はクリスマスシーズンです。クリスマスは世代や性別にあまり関係なく、多くの人が参加するイベントなので、非常に多くの人がプレゼントを買ったり贈ったりします。
オンラインショップのほうが実店舗よりも商品の種類や数が充実しており、忙しい人が自宅から好きなときに注文したり受け取ったりできることから、通販でプレゼントを買う人の割合も増えているのです。
また、お正月は年賀状など印刷物の配達もあります。クリスマス以外では、お中元やお歳暮の時期にも配達する荷物が急増して忙しくなります。お中元の配達で忙しくなるのは、6月から8月、お歳暮は年末です。近年は、訪問してお中元やお歳暮を先方へ届けるだけではなく、お店に注文してお店から先方へ直接配達するケースが増えてきました。
また、母の日や父の日、バレンタインデーやホワイトデー、敬老の日などといったギフトを贈る習慣があるイベントの時期にも、通販を使ったり遠方へギフトを送ったりする人が急増するでしょう。
そのほか買い物をする機会が増える時期、たとえば年度が変わる4月の前後は、新学期の準備をするために通販でグッズを購入する家庭が増えます。卒業式や入学式に着るスーツ、学生や新社会人が着るフレッシャーズ用のスーツや靴なども必要になるので通販の利用者が増えるでしょう。
農水産物が旬を迎える時期にも一時的に物流の量が増えています。たとえば米、野菜、果物などは旬がはっきりしており、旬を迎える時期には通販サイトで商品として取り扱うことが多くなります。
産地直送の特産品などは、自宅にいながら美味しいグルメが楽しめるということで、全国各地から注文が届くため、その商品を配達する運送業界にも大きな影響が及ぶでしょう。地元の農水産物を他地方へ送る家庭も増えるので、地域によってはその地域の特産品が旬を迎える時期には非常に忙しくなることがあるかもしれません。
また季節に関係なく、テレビや雑誌などのメディアで取り上げられたグルメやファッションなどは、一斉に注目されて全国から注文が押し寄せるので、その影響で想定外に物流の量が増えることもあるでしょう。忙しすぎると採算が合わなくなってくるため、世の中の動きと物流の量の変動のバランスを見極め、計画的に仕事をすることがのぞまれます。
引越しなどのイベントが増える時期に忙しくなる
軽貨物運送業の仕事のひとつには引越し業があります。軽自動車で引越しをしてくれる軽貨物運送業者は、引越し会社よりもフットワークが軽く気軽にお願いしやすいということで、単身の引っ越しや学生、少人数での家族引越しに人気です。
引越しは繁忙期と閑散期の差がはっきりしているので、いつスケジュールが混むのか、逆にいつ仕事が減るのか、その相場は知っておきましょう。引越しが増えるのは、新年度を迎えた3月から4月にかけてです。
地方の大学へ進学する学生、就職や転勤で引っ越す単身者や家族がほぼ同じ時期に引越しをするため、業者によっては忙しくなることがあるでしょう。特に土日は引越し希望者が多いため、1日に働く時間は長くなる可能性があります。
また、担当地域に新しいマンションやアパートができたときも、入居者の引越しを手伝うことが増えそうです。引越しは荷物の搬出と搬送、移動をする必要があり、神経と体力を使う業務です。多忙を極めると働き過ぎになったり体調を崩したりしやすいので、無理をしないようスケジュールを調整しましょう。
引越し業はお客様から大変感謝される、やりがいのある仕事です。心を込めて丁寧に、正しては抜かず真摯に業務に取り組みましょう。引越し以外のイベントでは、スキーシーズンにスキーの荷物を運搬するため地域や業者によっては忙しくなることがあります。
冬は道路が込みやすく、また積雪や悪天候などの影響を受けてスムーズに移動できなくなる可能性があるので、入念な下準備やスケジュール調整をしながら、安全で確実に荷物を届けたいです。
そのほかには、予期せぬ事情で物流の量に変動を受け、急に忙しくなるケースもあるでしょう。大きな災害や事故などが起きると、特定の分野で物流の件数が増える可能性があります。たとえばパンデミックが起きると消毒液やマスクの需要が増え、災害が起きるとミネラルウォーターや缶詰などの注文が増え、通販のお届けや荷物の運搬が増える可能性が出てきます。
一年を通しての繁忙期は、大まかに見るとだいたい毎年の流れが決まっています。しかし、世間で予期せぬイベントが発生したときには、もとからある繁忙期に物流の量が増え、大きな負担を受ける可能性もあるので、注意が必要です。
一年を通してスムーズに働くためには
経口から見て運送業界が忙しくなるのは、3~4月の引っ越しシーズン、6~8月のお中元・お盆のシーズン、12~1月のクリスマスや年末年始といえるでしょう。はっきりした閑散期はありませんが、イベントの少ない時期は物流の量の変動が比較的少ないので、収入が減る可能性はあります。
また、忙しさには地域性や世の中で起こったイベントも影響するので、必ずしも仕事の量は安定しないことも頭に入れておきましょう。軽貨物運送業者が一年を通してなるべく安定した働き方をするには、どうすればよいのでしょう。
それには急に忙しくなったときに混乱して業務上でトラブルを起こさないよう、日頃から世の流れをこまめにチェックしたり、スムーズに業務が遂行できるような体制を整えておくことが大切です。
また閑散期には想定外に仕事の量が少なる可能性がありますが、収入に直結するため、なるべく仕事が枯渇しないよう営業努力が必要です。ルートを開拓したり自サイトのホームページやSNSで情報を充実させたりして、仕事のチャンスを増やす工夫をしましょう。
これから軽貨物運送業に転職することを検討している方は、この仕事の特性、メリットとデメリットを十分に理解したうえで業界に参入することがのぞましいです。現役のドライバーの方の話を聞いたり、口コミの情報をネットで調べたりして、スムーズに開業するための方法や対策をとりましょう。
運送業界は物流の量が常に変動しており、忙しい時期と仕事が少ない時期にわかれます。特に忙しいのは通販の利用者が増えるクリスマスやお中元・お歳暮の時期や引越しの多い3月ごろです。そのほか農水産物が旬を迎える時期、ギフトを贈るイベントのある時期も仕事が増えることが多いでしょう。
また予期せぬ事情で物流の量が増え、急に忙しくなることもあります。繁忙期や閑散期のトラブルを防いでスムーズに業務をこなすため、スケジュールや働く体制を調整しておきましょう。