軽貨物ドライバーとして働くのに必要な免許!普通免許のみで大丈夫?
軽貨物ドライバーは、特別なスキルを必要とするわけではなく、自動車を運転して荷物を運ぶ仕事です。自動車を運転するため、普通免許は必ず取得していなければなりませんが、それ以外に必要となる免許はあるのでしょうか。そこで今回の記事では、軽貨物ドライバーとはどのような仕事なのか、必要な免許や取得すると有利になる免許を紹介します。
軽貨物ドライバーは具体的にどのような仕事?
軽貨物ドライバーと聞くと簡易的な運送業のように感じますが、実際はどのような業務をしているのでしょうか。ここでは、軽貨物ドライバーの具体的な仕事について紹介します。
■軽貨物ドライバーとは
軽貨物ドライバーは長距離ドライバーと違い、その日に預かった荷物をその日のうちに指定された場所へ届けるため、近距離での宅配がメインの仕事です。軽貨物車両は宅配便で見かけるような大型のトラックではなく、軽自動車の貨物車両のことです。いわゆる軽バンや軽トラの車両に、事業用ナンバーである黒ナンバーを取得したものが、軽貨物車両と呼ばれています。軽貨物ドライバーという名前を聞くと、軽い荷物を運搬する業務のように感じるかもしれません。
しかし、車両が軽自動車を利用しているから軽貨物とされているだけで、扱う荷物の中には重量のある家電や大型家具など決して軽くはない荷物も多くあります。その他に求められる要素として、運搬のスピードが挙げられるでしょう。食料品や医療品など、早く荷物を届けてほしいという要望もあるため、重量物の運搬が苦手でもミスなく素早い行動ができるドライバーが求められています。そのため、男性ドライバーだけでなく女性ドライバーも多く従事しているのです。
■軽貨物ドライバー宅配業者の違い
軽貨物ドライバーの仕事と宅配業者の仕事は、似てはいますが違いがあります。軽貨物ドライバーは、依頼された荷物を即日配送するスピードが求められるものです。しかし宅配業者は長距離運送を手がけており、依頼された荷物を数日かけて送り主の元へ届けます。軽貨物運送業の送料は一般的な宅配業者に比べると割高になりますが、荷物をその日のうちに届けられます。
さらに、軽貨物ドライバーにとっては1回の配送単価が高いため、双方にとってメリットがあるといえるでしょう。また宅配業者は、運搬できる荷物の大きさや種類が決まっています。しかし、軽貨物運送業は自由な面が多いようです。薬品や石油製品などの危険物でも、法律に違反しない荷物なら運搬を依頼できます。
軽貨物ドライバーとして働くのに必要な免許とは?
軽貨物ドライバーとして働くためには、何か特別な免許が必要なのでしょうか。ここでは、軽貨物ドライバーとして働くのに必要な免許を紹介します。
■必要な免許
軽貨物ドライバーとして働く際に必要となる免許は「普通自動車免許」のみです。大型ドライバーの場合は、中型免許や大型免許、仕事内容によってはフォークリフト運転技能者や危険物取扱者などの資格が必要となることが多いでしょう。
しかし、軽貨物ドライバーが使用する車両は軽貨物トラックなどの軽貨物車両なので、普通自動車免許があれば運転可能です。平成29年3月12日以降に免許を取得した場合は、小型トラック(車両総重量3.5トン未満、最大積載量2.0トン未満)、平成19年6月1日までに免許を取得している場合は、中型トラック(車両総重量8トン未満、最大積載量5トン未満)までの車両なら運転できます。
■AT車限定でOK
近年では、一般的に乗る機会の多い普通自動車のほとんどがAT車になっているようです。普通自動車免許を取得する際は、MT免許に比べて費用の安いAT車限定で取得することが増えています。軽貨物ドライバーが使用する軽貨物車両は、AT車でもMT車でもどちらでも構わないため、AT車限定の免許でも問題なく仕事に従事できるでしょう。
しかし、業務委託契約する企業によっては、AT車限定不可としていることもあるようです。その場合は働けないので注意してください。しかし、多くの場合はAT車限定でも問題ないとしているため、それほど気にしなくてもよいでしょう。
■黒ナンバーが必要
軽貨物ドライバーとして働くための免許は、普通自動車免許だけですが、それだけでは軽貨物運送業を始められません。軽貨物ドライバーが使用する軽貨物車両には、「黒ナンバー」を取得することが必要です。
黒ナンバーとは軽自動車を対象とした事業用ナンバーで、黒地に黄色の文字のナンバープレートとなっています。黒ナンバーを取得した車両は事業用軽貨物車と区分され、運送業や配送業に用いるための車両としての扱えるようです。黒ナンバーを取得した車両は、重量税や軽自動車税が安くなるというメリットがあります。しかし、車両を業務で使用するため使用頻度が高く、走行距離が長くなることから、任意保険料は割高になることが多いようです。
取得すると有利になる免許
普通自動車免許さえ持っていれば始められる軽貨物ドライバーですが、将来的に大型ドライバーに移行しようと考えている場合、有利になる免許があります。ここでは、取得すると有利になる免許について紹介しましょう。
■中型自動車免許
中型自動車免許は、普通自動車免許と大型自動車免許の中間として位置付けられています。大型自動車免許を取得するためのステップアップとして、中型自動車免許の取得を目指す場合も多くあるようです。
中型自動車免許で運転できる車両は、「車両総重量が7.5トン以上11トン未満」「最大積載量が4.5トン以上6.5トン未満」「乗車定員は11人以上29以下」となっています。日常的に目にする4トントラックの運転が可能なため、中長距離の運送業務に適している免許といえるでしょう。免許を取得する条件は満20歳以上であり、なおかつ普通自動車免許などを通算2年以上(免停期間を除く)保有していることです。
■準中型自動車免許
準中型免許は、2017年に新設された区分の免許です。正式名称は「準中型自動車第一種運転免許」で、「車両総重量7.5トン未満」「最大積載量4.5トン未満」「乗車定員10人以下」の車両を運転できます。免許を取得する条件は、普通自動車免許と同じで満18歳以上であることです。この免許が新設される前は、2トントラックや3トントラックは、中型自動車免許がないと運転できませんでした。
しかし、中型自動車免許を取得するためには、20歳以上で普通自動車免許を2年間保有していなければなりません。しかし、この免許を取得すると高校を卒業したばかりの20歳未満でも、2トントラックや3トントラックの運転が可能となるため、運送業界の深刻な人手不足を解消する狙いがあるのです。
■大型自動車免許
大型自動車免許は大型の車両を運転するための免許で、取得するとダンプカーやミキサー車などを運転できるようになります。大型自動車免許で運転できる車両は、「車両総重量11トン以上」「最大積載量6.5トン以上」「乗車定員30人以上」です。
免許を取得する条件は満21歳以上で、普通自動車免許などを通算3年以上(免停期間を除く)保有していることといえます。この資格を取得すると、さまざまな運送業で活用できるだけでなく、ホテルや旅館の送迎などのマイクロバスも運転できるようになるため、仕事の幅が広がるでしょう。
軽貨物ドライバーの仕事は、黒ナンバーを取得した軽貨物車両を使用し、預かった荷物をその日のうちに指定された場所へ届けることです。主に近距離での移動で、重い家電や大型家具、食料品などを運搬します。必要となる免許は普通自動車免許だけで、AT車限定でも問題ないことが多いようです。将来的に大型ドライバーに移行しようと考えている場合、取得していると有利になる免許には、中型自動車免許や大型自動車免許などがあります。