運転技術だけじゃない!軽貨物ドライバーにとって必要なスキルとは?
国土交通省の「宅配便等取扱個数の調査及び集計方法」を見ると、2019年のトラックの宅配便取扱個数は2009年より138%に増加しています。それに合わせて、軽貨物ドライバーの需要も増加しています。自分にドライバーの適性があるのか気になる方もいるでしょう。そこで今回は軽貨物ドライバーに必要なスキル、向いている人について説明します。
軽貨物ドライバーにとって必要なスキルとは?
まず運転技術は欠かせません。運転技術といってもバックがうまいとかそういう話ではなく、安全運転ができるということです。交通ルールを厳守し、安全に配慮する慎重さが求められます。しかし、軽貨物ドライバーに求められるスキルは運転技術だけではありません。ほかにどのようなスキルが求められるのか紹介します。
■記憶力
配送するとき、初めての道だと地図を確認します。一度見て地図を覚えられると、何度も地図を確認する時間を省略できます。また、行ったことのある場所への道順も覚えられると、これも時間短縮につながって効率的に配送できます。覚えておくとよいことは道に関することだけではありません。お客さまについても覚えていると、「平日の昼は仕事で家を空けているから夜行こう」などと再配達の手間を省くことができます。
■柔軟性の高さ
軽貨物ドライバーは予期せぬトラブルに巻き込まれることがあります。自分が事故を起こすだけではなく、他人の事故や道路の補修工事などでいつも使っている道が通れなくなることもあります。その時に別の道を探す、契約している運送会社に連絡するなど素早い判断が試されます。
■先輩や仲間から学ぶ姿勢
「人から学ぶ」という姿勢があれば、先輩ドライバーや仲間のドライバーからの支援がもらえます。先輩、仲間の信頼と期待につながり、よりよい仕事につながっていきます。たとえば、雨の日に、荷物を濡らさずお客さまに渡すことができますか。そのような技術を先輩や同僚から学ぶことでお客さまの満足度を高めることができます。
■時間通りに動く
皆さんも配達時間を指定したことはあると思いますが、お客さまには希望配送時間がある場合があります。これを守るためには、時間管理が必須です。時間帯によって混む道や、通学のため朝は通れない道などを含みつつ計算して動かなくてはなりません。
■丁寧に話す
軽貨物ドライバーは案外人と接する仕事です。お客さまに直接荷物を渡すからです。この時、丁寧な言葉を使える、身だしなみがきれいであるということはとても大切なことです。見落としがちな点なので注意しましょう。
■体調管理
急な体調不良は避けたいものです。契約している運送会社にも迷惑がかかりますし、軽貨物ドライバーは基本歩合制なので、配送ができないとその分収入がなくなってしまいます。体調管理はしっかりするようにしましょう。
軽貨物ドライバーになるには普通免許だけでオーケー?
軽貨物ドライバーになるのに必要な資格は普通自動車免許(AT限定可)のみです。もちろん安全運転は必須です。では、他に何が必要になるのでしょうか。一緒に見ていきましょう。
■仕事に使う軽車両
軽貨物ドライバーとして仕事をするには普通自動車免許に加えて軽車両が必要です。新車か中古車かというよりは、荷物をどれだけ積み込めるかを重視したほうがよいでしょう。当然、多く載せられた方が仕事効率はよくなります。またATかMT(マニュアル)かは、運転しなれている方を選んだほうが仕事でも使いやすく安全運転しやすいでしょう。
■黒ナンバー
自分で軽車両を購入する場合は、黒ナンバーと呼ばれる営業ナンバーを取得する必要があります。仕事で使用する事務所(自宅で問題ありません)を管轄している「運輸支局」に必要な書類を提出します。書類はインターネットからダウンロードできます。この時提出した情報に変更がある場合は、変更届を提出するのを忘れてはいけません。運送会社から車両の無料貸し出しやリースを受ける場合には、すでに黒ナンバーなので新たに交付を受ける必要はありません。
軽貨物ドライバーに向いている人の特徴
軽貨物ドライバーに必要なスキル、手続き等を確認してきました。最後にどのような人が軽貨物ドライバーに向いているのかを確認しましょう。
■運転が好きな人
軽貨物ドライバーはほとんどの時間運転しています。この時間が好きで楽しむことができる人には適職といえるでしょう。
■こまめな人
軽貨物ドライバーは個人事業主のため、確定申告が必要になります。領収書を保管し、帳簿をつけておくと年度末になって慌てなくてすみます。
■お金のやりくりができる人
個人事業主は自分で健康保険や年金を支払う必要があります。企業に勤めている間は、このふたつは会社が給料から天引きしてくれていましたが、個人事業主は自分で納めなければなりません。また、確定申告後には所得に応じて納税しなくてはならず、そのお金を確保しておく必要もあります。
■長く働き続けたい人
個人事業主であるため、軽貨物ドライバーには定年がありません。サラリーマンには定年後の再雇用制度もありますが、給与が定年前の7~8割前後まで減ることが多いと聞きます。ずっと現役で、頑張りに応じた収入が欲しい人には軽貨物ドライバーは向いているでしょう。
■車を大切にできる人
軽貨物ドライバーにとって軽車両はとても大切な相棒です。この車がなければ仕事になりません。そのため、車のメンテナンスを定期的に行い、異変を感じたらすぐに専門家にみてもらうようにすれば、安全に、途切れることなく仕事が続けられるでしょう。
■体調管理ができる人
体調不良は最悪事ゆえにつながってしまいます。夜更かしや暴飲暴食はせず、自分の体調を整えられる人に向いているでしょう。
■責任感のある人
軽貨物ドライバーを始めたばかりのころは、指定された時間に間に合わせることは大変なことです。それでもあきらめず最善を尽くし、遅れてしまう場合にも他の頑張りでフォローするなどの気概が必要になります。
■清潔感のある人
軽貨物ドライバーは意外にもお客さまと接する機会が多い仕事になります。荷物を渡すときによい印象を与えることができれば、周囲から頭一つ抜けたドライバーになれるでしょう。
■常に学ぶ姿勢のある人
新人のころはうまくいかないこともあり、一生懸命働くでしょう。その後、慣れてそれなりの仕事ができるようになってきても傲慢にならずに人から学ぶ姿勢があれば、さらにスキルを伸ばすことができます。
■挑戦できる人
軽貨物ドライバーとしての仕事は、通販・ネットスーパーの宅配、ルート配送の仕事、スポット瓶・チャーター便の仕事、引っ越し便など多数あります。自分に向いている仕事を選べた方が楽しく働くことができます。もし現在請け負っている仕事に不満があるなら、別の仕事に挑戦して自分の適性を見極めることも大切になってきます。
軽貨物ドライバーには必要とされるスキルがたくさんあります。しかし焦る必要はありません。あなたが真面目に、責任感を持てばどれも自然とできるはずです。また、軽貨物ドライバーは個人事業主であり、その分大変なことも多いのが現実です。しかし、個人事業主のメリットは、その責任の重さと引き換えに自由を手に入れられる点です。その自由に魅力を感じる方は、軽貨物ドライバーに向いているでしょう。プライベートの時間も充実できるようになるはずです。